まちぼうけ

興味もないというボクを無理やり引っ張ってきたくせに
僕が乗り物に乗らないというと、人工の山と池の見えるこの場所にボクを置いて
彼は一人さっさと遊具に乗りに行った


こんなこともあろうかと、碁の本でも持ってきていてよかった。少々騒がしいが水辺のベンチは居心地も悪くはない。


1時間くらいなら。




「悪りィ悪りィ、意外と乗り物が多くてさァ」

2時間15分ものあいだ一人でふらついていた彼は、言葉とは裏腹に悪いと欠片も思ってない顔で駆け寄ってきた。


ああ、かまわないとも。
そのくらいは想定内だ。


ボクは人工の山を背に、おもむろに立ち上がった。


-JUST TIME-


そのとき時計が正時を指した。
この遊園地にある山は、毎時三十分ごとに噴火をしてみせる。
一気に噴出する豪快な炎は、水辺を挟んだこの辺りまで、ぶわりと熱波を放射する。




何かが吹き出るような音がして、炎のオレンジ色が建物や遊具に反射するのが目に入った。

回りを行く子供やカップルから歓声が起きる。
ボクは振り返らずに彼に向かって立ったままで


― …もう三回も見た。―


「絶叫マシーンなんて、一人でもそんなに楽しいモノなのか?」
素朴な疑問を投げかけてみた。

燃焼音は増し、背後にますます膨れ上がる放射熱を感じるが、たいしたことではないだろう
どうせ作り物の噴火だ。

ボクと噴火を同時に見ているらしい進藤の顔のほうが よほど面白い。
面白くて、つい笑みがこぼれるが


笑むほどにシーソーの如く進藤の顔は引きつり、血の気が引いていくのは、近年まれに見る愉快な光景だった。


ひらパーに来るなんてこと あるのかな。
京阪百貨店本因坊写真展つうのはやってたことあるけどねー…。それつながりって 苦しいな(笑) 

マアあの 単なる思いつきです